愛と別れの恋愛博物館〔第1回〕

驚愕の不倫関係

イギリス国王ジョージ5世の長男として生まれたエドワード皇太子は、従来の王室の枠を越えた型破りな一面をもっていた。

第1次世界大戦では自らフランスに出向き、前線の兵士を激励してまわったこともある。未来の国王に危険が起こるのを心配したジョージ5世は、側近に厳重な身辺警護を命令したが、皇太子は「私には4人の弟がいる。もしものことがあっても、王位継承者はいくらでもいるから大丈夫」と言って自ら激戦地に赴いて行った。

彼は、貴族がたいていビア樽のように太っていることに嫌悪を示し、自らは小食に甘んじてテニスやポロでからだを鍛えた。金髪でスリムなからだつき。整った顔立ちは魅力的で、イギリス国内だけでなく世界的に絶大な人気を誇っていた。

日頃はダイエットに人一倍気をつかっていたが、夜遊びや酒だけは例外で、側近の忠告も聞かず連日のように朝帰りをくり返していた。日記に「この3日間で睡眠はわずか10時間!」と書いたこともあった。

父親であるジョージ5世の悩みは、皇太子が30歳後半を迎えても、いっこうに結婚話がまとまらないことだった。ルーマニアやスウェーデンの王女を初め、ヨーロッパ名家の令嬢と婚約寸前までいくのだが、最後はいつも破談になってしまう。女性にモテすぎるので、しばらくは独身を通したいのだろう、というのが世間の風評だった。

やがて、ジョージ5世が驚愕する事実が耳に入ってきた。なんと、皇太子がアメリカの実業家夫人と不倫関係にあるというのだ。国王の怒りはすさまじかった。

「それだけ殿下は魅力的なのです」と側近がしきりになだめたが、国王は放心したように言った。

「だから、惜しくてたまらないのだ。あれが無能だったら、あきらめがつくものを」(ページ3に続く)

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