愛と別れの恋愛博物館〔第3回〕

ぜひとも彼女と結ばれたい

1977年11月、スペンサー伯爵家の領地で狐狩りが催された。

スペンサー家は歴代王室と縁の深い貴族で、8代目スペンサー伯爵はエリザベス女王の父ジョージ6世の侍従武官であった。また、エリザベス女王の即位後も数年間は同役を務めていた。

その日の狐狩りには、チャールズ皇太子も招待された。スペンサー家の自宅は、エリザベス女王の別荘に近く、チャールズ皇太子は小さい頃からスペンサー伯爵のことをよく知っていたのである。

そのとき皇太子は、背が高く足が長い少女を見た。

「とても快活で楽しい少女でした。非常に魅力的に思えました」

それが、スペンサー伯爵の3女ダイアナ嬢だった。幼い頃から何度か会ったことがあるはずなのに、チャールズ皇太子はまるで初対面のような気がした。それほど、泣き虫の女の子は、素敵なレディになっていた。

チャールズ皇太子が愛をはっきりと意識したのは、それから3年後のことだ。エリザベス女王の避暑地スコットランド・バルモラル城で、ダイアナ嬢が姉の子供をあやしているのを見て、たまらない衝動にかられた。

「ぜひとも彼女と結ばれたい」

ロンドンに戻ってから、チャールズ皇太子はダイアナ嬢に電話をかけ続けた。その頃、ダイアナ嬢は幼稚園の先生をしており、友人3人と同居していた。

電話をすると、友人が出ることが多かった。そんなとき、チャールズ皇太子は気づかれないように、ニセの名前を語っていた。しかし、先方にはすべてバレており、「今日はどんな偽名を使ってくるのか」と話題になっているほどだった。

友人の冷やかしを受けながら、ダイアナ嬢の気持ちも確実にチャールズ皇太子に傾いていった。(ページ4に続く)

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