英祖(ヨンジョ)はイ・ソン(思悼世子〔サドセジャ〕)に自決を命じた!

無情の米びつ

英祖が怒鳴った。
「映嬪(ヨンビン)が余になんと言ったと思うのか? 世子はふさわしくないと訴えてきたのだ。お前が自決しないかぎり、この国が駄目になってしまう」
この言葉を聞いて、イ・ソンは震えがとまらなかった。英祖が名を出した「映嬪」というのは、英祖の側室でイ・ソンの生母だ。
イ・ソンは、もはや、生母からも見捨てられたのだ。




高官の1人が進み出たきて言った。
「殿下は、王宮の奥にいる女性の言葉によって、後継者問題を決めるのですか?」
この言葉は火に油を注いだ。
英祖はさらに激昂し、息子に再度の自決を迫った。
しかし、イ・ソンは震えるばかりで何もできなかった。
すると、英祖は米びつを持ってこさせて、その中にイ・ソンを閉じ込めた。
かくして、朝鮮王朝の世子が水と食べ物を与えられないまま米びつで餓死したのである。果たして、これ以上の悲劇があろうか。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

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トンイは張禧嬪(チャン・ヒビン)より悪女なのか?

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注目記事のエッセンス1

記事「トンイは張禧嬪(チャン・ヒビン)より悪女なのか?」

ドラマ『トンイ』は日本でも大人気を博した。トンイを演じたハン・ヒョジュの魅力もあって、トンイがいかにも明るくて純粋な女性のように描かれていた。一方の張禧嬪は、朝鮮王朝3大悪女の1人に数えられて、悪女の代名詞になっている。しかし、本当の悪女はどちらだったのだろうか。史実を見ていくと、トンイの別の顔が見えてくる。

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