「巨悪の朝鮮王朝三大悪女」は誰なのか?(再読版)

巨悪だったのは?

女帝のようにふるまった3人の王妃……。
たとえば、文定王后は政敵を粛清するために多くの人の命を奪っています。
21代王・英祖(ヨンジョ)の二番目の正室だった貞純(チョンスン)王后は、敵対勢力にカトリック教徒が多いという理由で悲惨な虐殺事件を引き起こしています。




さらに、23代王・純祖(スンジョ)の正室だった純元(スヌォン)王后は、自分の実家の人間に政権を牛耳らせて国政を危うくさせました。それが、朝鮮王朝の衰退につながったのです。
個人の欲望のために私的な悪事を働いた張緑水、鄭蘭貞、張禧嬪。
そして、王朝の政治を私物化するために政敵を葬って庶民の生活を犠牲にした文定王后、貞純王后、純元王后。
果たして、どちらが本当の悪女でしょうか。
朝鮮王朝の政治を混乱させて庶民を苦しめたという意味で巨悪だったのは、明らかに文定王后・貞純王后・純元王后という3人です。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

朝鮮王朝三大悪女のことを詳しく説明した『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』(康熙奉〔カン・ヒボン〕著〔実業之日本社/900円+税〕)

康 熙奉(カン ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化と、韓流および日韓関係を描いた著作が多い。特に、朝鮮王朝の読み物シリーズはベストセラーとなった。主な著書は、『知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』『朝鮮王朝の歴史はなぜこんなに面白いのか』『日本のコリアをゆく』『徳川幕府はなぜ朝鮮王朝と蜜月を築けたのか』『悪女たちの朝鮮王朝』『宿命の日韓二千年史』『韓流スターと兵役』など。最新刊は『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』

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