朝鮮王朝悪女列伝5「張禧嬪(チャン・ヒビン)」

呪い殺すための儀式

張禧嬪は危機感を抱き、淑嬪・崔氏に陰湿な嫌がらせを始めた。
粛宗は、傲慢に振る舞う張禧嬪に不信感を抱くようになった。そこで彼は、庶民に降格していた仁顕王后を復位させて、張禧嬪を正室から降格させた。1694年のことだ。
この決定に憤った張禧嬪は、自分の侍女たちに命じて仁顕王后の寝室を見張らせた。さらには、仁顕王后を呪うための儀式も続けた1701年、仁顕王后は病に倒れて亡くなってしまう。張禧嬪は王妃に返り咲けると思ったのだが、彼女が仁顕王后を呪い殺すための儀式をしていたことが、淑嬪・崔氏によって粛宗に伝えられた
怒った粛宗は、張禧嬪の弁解に耳を傾けず死罪を宣告した。




こうして、己の野心のために宮中を混乱させた張禧嬪は、世を恨みながら息を引き取っていった。
せめてもの救いは、張禧嬪が残した息子が後に20代王・景宗(キョンジョン)になったことかもしれない。

朝鮮王朝悪女列伝1「廃妃・尹氏(ユンシ)」

朝鮮王朝悪女列伝2「張緑水(チャン・ノクス)」

朝鮮王朝悪女列伝3「文定(ムンジョン)王后」

朝鮮王朝悪女列伝4「鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)」

朝鮮王朝悪女列伝6「貞純(チョンスン)王后」

朝鮮王朝悪女列伝7「貴人(キイン)・趙氏(チョシ)」

固定ページ:
1

2

注目記事のエッセンス1

記事「トンイは張禧嬪(チャン・ヒビン)より悪女なのか?」

ドラマ『トンイ』は日本でも大人気を博した。トンイを演じたハン・ヒョジュの魅力もあって、トンイがいかにも明るくて純粋な女性のように描かれていた。一方の張禧嬪は、朝鮮王朝3大悪女の1人に数えられて、悪女の代名詞になっている。しかし、本当の悪女はどちらだったのだろうか。史実を見ていくと、トンイの別の顔が見えてくる。

ページ上部へ戻る