ハングルの完成/朝鮮王朝の波乱万丈4

 

朝鮮王朝で最高の名君と称賛される4代王・世宗(セジョン)。彼がそれほど尊敬されているのは、民族固有の文字「ハングル」を作ったからだ。それは本来「訓民正音(フンミンジョンウム)」と呼ばれたが、1443年に完成している。

民衆のための文字

世宗は1397年に生まれた。
幼い頃から聡明だった。
早くから読書の楽しみを知った彼は、愛する民衆の多くが難解な漢字を読むことができないことに心を痛めていた。
それだけに、王になった世宗にとって、民衆が親しめる文字を作ることは大きな使命となっていた。
当時の朝鮮王朝では中国の文字である漢字を学ぶことはステータスとなっていた。それだけに、新たな文字を作ることに反対する臣下たちが後を絶たなかった。
そんな風潮の中でも世宗は固いきずなで結ばれた学者たちと毎日のように話し合い、自ら率先して「訓民正音」を作りあげた。さらに、反対する者にも国字の必要さを熱心に説明した。
「余が『訓民正音』を作ることに反対の者もいるだろう。しかし、漢字では我が国の言葉の発音を上手く表現できない。




また、難しい漢字を学ぶことができないまま一生を過ごすことになる民衆にも、簡単に学べる文字が必要なのだ」
このように世宗は力説した。
(ページ2に続く)

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