何を残して何を捨てるか

 

部屋の中に物が散乱していると落ちつかず、整理をするのは私の趣味のようになっている。学校の黒板の横に、整理整頓の紙が貼ってあったのをよく見ていたせいかもしれない。思ってもいなかった事にそうぐうし、どうしたら良いかモヤモヤすると部屋の整理整頓をする。




「整える」ということ

体の中によどんだ血液がとどこおると不調になる。だから部屋の中も循環を良くすることは大切ではないかと考えるのだ。
植物は花が咲き終わったら花茎から切り取り、古い葉を除いて伸びすぎた枝や根を整えると、また新緑が芽吹き、つぼみがつく。
必要なものとそうでないものを仕訳して部屋を整えると、新しい空間に新鮮なアイデアが生まれてくるような気持ちになる。ものを捜す時間はやりたいことをする時間に変わり、気持ちの良い空間から考えがまとまってくるのだ。
だがやり過ぎも考えもので、ソコソコという加減もとても必要になるのではないか。
壊れそうで汚れた古いものでも、丁寧に保管しておきたいものがある。興味深く感動した本や届いた手紙、思い出深い記念品や可愛いプレゼントの品などは宝物だ。
それらを見ると、懸命に過ごしたあの頃に多くの人とふれあい助けられ、そして今日に至ったのだと感謝の気持ちでいっぱいになる。




大げさな話だか、何を残して何を捨てるかを選択するのは、人生に少し似ているかもしれない。大切なものは、いつまでもいつまでも残したいのである。
すっきりと片付きリフレッシュした部屋の椅子に座って、お茶を飲みながら思い出を廻らせた後、さあ明日は何をしようかと考えるのだ。

文・写真=海山 文美(みやま あゆみ)
生活エッセイスト。東京生まれ。動物の編みぐるみを中心とした編み物作家として活動しながら、ライフスタイル全般を見つめ直すエッセイストとして執筆中。生活に根付いた身近な出来事を書いています。趣味は植物鑑賞、テニス、水泳。

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