時代が変わった!
振り返ってみれば、芸能界のスターが兵役に対して積極的な行動に出たのは2010年以降である。
一番訓練が厳しいと言われる海兵隊に志願したヒョンビン、最前線の部隊で軍務を立派にやりとげたソン・ジュンギ、軍人としてすべての技量が優秀な人が選ばれる特級戦士になった東方神起ユンホ……彼らは兵役に前向きに取り組んで、芸能界に復帰後も大活躍している。
こうした先輩たちが良き手本となり、後輩の芸能人も大いに勇気づけられた。
何よりも、「兵役は貴重なキャリアになる」という意識が最近の芸能人には強くなってきた。
そうであるならば、より環境が厳しい最前線の部隊で兵役を全うしよう、という覚悟が備わってくる。
かつて兵役は「芸能人の墓場」と言われた。
しかし、今はそんな時代ではない。
「芸能人にとっての兵役は、自分を磨いて一回り大きくなる場である」
最前線の部隊に次々に入隊していく芸能人を見ていると、つくづくそう思えてくる。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
康 熙奉(カン ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化と、韓流および日韓関係を描いた著作が多い。特に、朝鮮王朝の読み物シリーズはベストセラーとなった。主な著書は、『知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』『朝鮮王朝の歴史はなぜこんなに面白いのか』『日本のコリアをゆく』『徳川幕府はなぜ朝鮮王朝と蜜月を築けたのか』『悪女たちの朝鮮王朝』『宿命の日韓二千年史』『韓流スターと兵役』など。最新刊は『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』。