朝鮮王朝悪女列伝9「純元(スヌォン)王后」

 

1849年、24代王の憲宗(ホンジョン)が22歳で急死した。憲宗には息子がおらず、まだ後継者が決まっていなかった。憲宗の祖母であった純元(スヌォン)王后は、王室の最長老だったが、まるで天の声であるかのように「元範(ウォンボム)を後継ぎにする」と指名した。




天涯孤独の青年

「元範って誰?」
それが、王宮にいた人たちの率直な感想だった。王族の一員であることに違いはないが、元範はほとんどの人に知られていなかった。
純元王后はなぜこのような人物を指名したのだろうか。
それは、純元王后が自分と一族で権力を独占するためだった。
実は、憲宗が急死したとき、彼の6親等以内の男性が王族には一人もいなかった。しかし、7親等であれば数人いて、その中の一人が元範だった。
彼は、英祖(ヨンジョ)によって米びつに閉じ込められて餓死した思悼世子(サドセジャ)の曾孫であった。
とはいえ、元範の親族はことごとく流罪や死罪となっていて、彼はほとんど天涯孤独の身で江華島(カンファド)に住んでいた。
王族とはいえ農業でその日暮らしをするのが精一杯で、まともな学問も受けていなかったのである。




学もなく政治に関与したこともない18歳の未熟な青年が、純元王后によって突然王に指名された。
驚かないほうが不思議だった。
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