韓国の陸軍には約40個の師団がある。それぞれの師団が1万人前後の兵員を抱えており、師団長は通常なら少将が担うことになっている。各師団にはそれぞれの任務があるが、江原道(カンウォンド)の鉄原(チョロン)で重要な役割を果たしているのが白骨部隊(第3師団)である。
最強の師団の1つ
白骨部隊……その名称の由来は何か。それは、白骨になるまで戦い抜く魂を持った部隊ということが伝統だからだ。
それほど勇猛な部隊であり、シンボルマークも不気味な頭蓋骨だ。
白骨部隊が韓国陸軍の中でも最強の1つと言われているのは、任務が特別だからだ。わかりやすく言えば、北朝鮮が攻めてきたときに第一の防波堤になるのだ。
それゆえ、兵士たちは「捜索・偵察」の訓練をみっちり行なう。これは、軍事境界線を越境してくる北朝鮮の兵士を見つけ出す訓練だ。
なお、兵役で陸軍に入ると、新兵教育を受けるルートが2つある。
多くの新兵が入るのが韓国中部の論山(ノンサン)にある陸軍訓練所で、ここで5週間の訓練を行なった新兵は、次に各地の師団に配属されていく。
しかし、陸軍訓練所に行かずに直接、師団の新兵教育隊に入所する場合もある。そうした師団の新兵教育隊の中で特に有名なのが、白骨部隊の新兵教育隊だ。
白骨部隊は、戦争の際にソウルを防衛するための大事な拠点となるので、精鋭の兵士を集める必要がある。それだけ、訓練が徹底している。
「白骨部隊に入ったら軍務が厳しい」
それは確かなのだが、団結力を重視する白骨部隊で軍務を行なうと、自分自身にとっても大きなキャリアになる。
除隊後も自信を持てる人が多いという。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
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