チ・チャンウクが日本の韓流ファンに広く知られるようになったのは、2009年にKBSで放送された『ソル薬局の息子たち』であった。このドラマでチ・チャンウクは、甘い末っ子を演じており、個性的な兄3人たちと比べて頼りなさが目立つような役柄だった。その中でも、チ・チャンウクはキラリと光る演技力を見せていた。
黄金の30代
チ・チャンウクが、はっきりと成長を感じさせたのが『奇皇后』であった。このドラマは、ハ・ジウォンが主演して大変な人気を集めた作品だが、チ・チャンウクは苦悩する皇太子を堂々と演じていた。
数々の出演作を経てチ・チャンウクが俳優としての力量を発揮していることをうかがわせた。
以後もチ・チャンウクの作品に注目していたのだが、彼は兵役に入り、しばらくの空白期間を余儀なくされた。
兵役期間中に12キロも太ったというエピソードは、いかにも奔放なチ・チャンウクらしい。
兵役に入ると、チョコパイやアイスクリームを食べすぎる人が多いのだが、チ・チャンウクもおそらくそうだったのだろう。
俳優活動をしているときは節制を重ねるが、軍隊では体力をつけるために大いに食べなければならない。チ・チャンウクも、軍隊生活を乗り切るために食べすぎたようだ。
彼は2019年4月に除隊し、9月から放送された復帰作の『僕を溶かしてくれ』に出演した。
このドラマは視聴率が良くなかったが、それはチ・チャンウクの責任ではない。
視聴率という数字は様々な要因が重なって表れるものであり、チ・チャンウクは自分の任された役を精一杯に演じて、彼なりの存在感を示した。
2020年6月からは、キム・ユジョンと共演して『コンビニのセッピョル』に主演している。2人の年齢差が12歳もあるが、若々しいチ・チャンウクは年齢差を感じさせない。
そして、俳優にとって30代は一番重要な時期だが、チ・チャンウクなら必ずや「黄金の30代」にするに違いない。
文=康 熙奉(カン ヒボン)