落差が大きい役を演じる/パク・ソジュンの神髄:第1回

 

パク・ソジュンは、本当にスケールが大きい俳優だ。それは、彼が今まで出演したドラマを見ればよくわかる。2016年に制作された『花郎(ファラン) 希望の勇者たち』でも、当時から彼はダイナミックな演技を見せていた。

写真=韓国tvN公式サイトより




ドラマのツボ

パク・ソジュンは、『花郎(ファラン) 希望の勇者たち』で古代の新羅(シルラ)の野性味あふれる快男児を颯爽と演じた。そして、彼は2019年に『キム秘書はいったい、なぜ?』で一転して極端なナルシストに扮した。
もちろん、俳優であれば格差が大きい役を演じ分けることがよくあるのだが、パク・ソジュンの場合はその振れ幅がとても大きい。それもまた多様性を持った俳優の特徴であるのだが、彼は本当に役になりきるのが巧みだ。
『キム秘書はいったい、なぜ?』では冒頭からパク・ソジュンが演じるヨンジュンが、どれくらい完璧な男であるかを徹底的に見せていく。
ヨンジュンはユミョン・グループの副会長だ。
ルックスはもちろんのこと、いくつもの外国語をネイティブのように話し、会議ではプレゼンターが示す数字の間違いを細かいほどに指摘する。まるで、頭の中に超高速のコンピュータを持っているかのように……。




仕事が抜群にできるし、非の打ち所がない。それが、パク・ソジュンが扮するヨンジュンである。
しかし、これほどの男が、キム秘書(パク・ミニョンが演じている)が急に辞めると言い出したとたんに激変する。
まるで、迷える子羊になってしまうのだ。
ここから完璧なはずのヨンジュンのボロが見えてくる。
ヨンジュンは、まるで奈落の底に落ちるかのように豹変する。
そこがまた見ている人が気持ちよく笑えるところであり、このドラマのツボになっていると言える。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

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