川沿いの道を行ったり来たり
伊能忠敬の旧宅の敷地に入って見学した。
もとは酒蔵だったという。奥に行くと、伊能忠敬が使っていた測量の道具も展示されていた。
大きな道具だ。これを運びながら測量したのだろうか。そうであるならば、かなり大がかりな作業となったはずだ。伊能忠敬は「体力の人」であった。
加えて言うと、伊能忠敬は情熱の人だ。だからこそ、日本地図を作るという偉業を達成できたのだ。
彼の出身地ということで、佐原も江戸時代の歴史にしっかり光を放っている。
さらに散策が続く。伊能忠敬の旧宅を出たあとも、小物屋を覗いたり、川沿いの道を行ったり来たり……。
お腹が空いたところで「千与福」という店に入る。
佐原にふさわしく古い家屋の入り口だったが、中に入ってみると、新しく斬新な造りになっていた。そのギャップが心地よい。
2000円ちょっとの弁当を注文。地酒を飲みながらゆっくり食事をした。
「ぜひまた来たいね」
その場所に居ながら次のことも考えられるのは、よほど気に入った証拠なのである。
文=康 熙奉(カン ヒボン)