ケジャンの次はアグチム
ケジャンを食べてみると、「何といううまさ!」と感激した。今までケジャンはたくさん食べてきたが、こんなにおいしいケジャンは生まれて初めてだった。とにかく身が厚くてプリプリしているし、食べているとトロッととろけてきて食感が良い。
しかも量がたくさんあるので、周りを気にせずに自分の好みでどんどん食べていくことができる。こんなにおいしいケジャンを、これだけ食べられるというのは何という幸福なことか!
大きな声では言えないが、新大久保で食べるケジャンとは別物のような感じがした。
さらにケジャンだけではなく、アグチムも出てきた。アグチムというのは、アンコウの上にとろりとした具材を乗せた料理だが、これもたまらなくおいしい。
日本では、アンコウというと味噌鍋にしたりすることが多いが、韓国では鍋というより「あえもの」風にする。歯ごたえがとてもシャキシャキしていて、噛むこと自体に喜びがあふれてきた。
ケジャンをたくさん食べた後でアグチムも出てきて、焼酎がどんどん進み、これ以上の満腹感はないほどであった。
ソウル・新沙洞にある「木浦港」。ここに来たことは、生涯忘れられない思い出であった。
文=康 熙奉(カン ヒボン)