少しずつ芽生えた不信感
趙光祖は強固に主張した。
「今後は、成希顔たちから権力を取りあげるべきです」
いくら趙光祖の言葉でも、中宗はそのまま受け入れるわけにはいかなかった。
「臣下の者たちがもめてはいけない。それこそ国が混乱してしまうではないか」
こう言って、中宗は趙光祖の申し出を退けた。
その後、趙光祖は7回に渡って嘆願してきたが、中宗は首を縦に振らなかった。
落胆した趙光祖は、若い支援者と共に辞職した。
中宗は直々に復職を求めたのだが、趙光祖も頑固だった。
その過程で、結果的に中宗はクーデターの多くの功労者たちの武勲を剥奪したのだが、あまりにも強引な趙光祖に少しずつ不信感をもつようになった。
とはいえ、趙光祖ほど有能な人物がいないことも確かであり、中宗は彼を強く拒むこともできなかった。
しかし、王の心が趙光祖から離れたことを確認した勲旧派たちは、「今までの怨みを晴らしてやる」といきりたった。
そんなとき、朝鮮半島を大きな地震が襲った。
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