『不滅の恋人』の史実が興味深い!2人の王子の争いを解説(再読版)

 

NHK総合テレビで日曜日の夜に放送の『不滅の恋人』。2人の王子の対立が描かれるが、そのモデルとなっているのが首陽(スヤン)大君と安平(アンピョン)大君だ。歴史的に結末がどうなったのかを見ていこう。




競争心が強かった

朝鮮王朝の最高の名君と称される4代王の世宗(セジョン)。
彼の長男は5代王となった文宗(ムンジョン)だが、その下に二男の首陽大君と三男の安平大君がいた。
世宗は、首陽大君と安平大君の二人に重要な仕事をまかせた。天文観測やお経の翻訳、世宗の陵の場所を決めることなど、国家の重要事業を二人が一緒に管理するようにしたのであった。
世宗の晩年には、王命を伝えることも二人がやっていた。王家の中でも重要な位置にいる大君(正室が産んだ王の息子)たちの一人に一方的に権力が偏ると、後に王権の脅威になると考えた配慮だった。
長く一緒に政治に参加していた二人だったが、兄弟愛よりも競争心が強かった。
武人的な資質を持っていた首陽大君に対して、安平大君は詩、書、画に長けた芸術家だった。
特に書は中国までその名がとどろき、彼の書がほしいと願う人が多いほどであった。それだけに、安平大君の自負心も兄である首陽大君に負けなかった。
二人の大君の力が大きくなるにつれて、彼らのまわりには人が集まり始め、彼らがライバル的な関係になると、王宮では首陽大君派と安平大君派ができて、対立するようになっていった。




1450年に文宗は世宗の王位を継いだが、わずか2年で亡くなった。
文宗の長男であった端宗(タンジョン)が6代王となった。
しかし、まだ11歳だったので、後見人が必要だった。その筆頭が重臣の金宗瑞(キム・ジョンソ)である。
(ページ2に続く)

『不滅の恋人』を理解するための歴史解説!

『不滅の恋人』のイ・ガンは歴史上の首陽大君(スヤンデグン)のこと!

『不滅の恋人』のイ・フィは歴史上の安平大君(アンピョンデグン)のこと!

トンイは張禧嬪(チャン・ヒビン)より悪女なのか?

悲劇の三大世子!昭顕(ソヒョン)世子・思悼(サド)世子・孝明(ヒョミョン)世子

固定ページ:

1

2

注目記事のエッセンス1

記事「トンイは張禧嬪(チャン・ヒビン)より悪女なのか?」

ドラマ『トンイ』は日本でも大人気を博した。トンイを演じたハン・ヒョジュの魅力もあって、トンイがいかにも明るくて純粋な女性のように描かれていた。一方の張禧嬪は、朝鮮王朝3大悪女の1人に数えられて、悪女の代名詞になっている。しかし、本当の悪女はどちらだったのだろうか。史実を見ていくと、トンイの別の顔が見えてくる。

ページ上部へ戻る