カエルと人間の近い点

 

目が大きく上に飛び出して愛嬌のある顔のカエルは、とても身近で馴染み深い両生類である。しかし、カエルの容姿や声が好きか嫌いかは様々である。私は田舎の田んぼで、オタマジャクシからカエルに成長する途中の大量のオタマジャクシを見つけた時、ギョッとして後ろにのけぞってしまった。奇妙な姿だった。カエルと人間が1番近い点は、尾が無いことと、平泳ぎをすることである。




鈍くさくて愛くるしい仕草

5年前から茶褐色のヒキガエルが、家の小さな庭に住み着いている。ガマの油で知られるガマガエルである。
脚は短く、トノサマガエルのように跳ねたりしないでノソノソと這う。鈍くさいけれどもそこがかわいい。
体調は15cmくらいで太っていて、大きな顔の表情から、安心しているかおびえているかがわかるようになった。
庭の水やりをしているとモソモソっと土の中に潜るが、お尻かくして顔かくさず、でこちらを見ている。話しかけると様子をうかがうように、土の中の目をキョロキョロさせて、話を聞いている仕草はとても愉快だ。
体が重いので動いたところの土はポッコリ穴があき、腕力が強いので植物の根っこを掘ってしまい茎が倒れたりする。ダンゴムシやミミズはたっぷりいるから、食料には事欠かないようだ。




愛着がわいてしまい、カエルを見つけるのが楽しい日課となった。
「幸せが帰る」「お金が帰る」と縁起物として親しまれ、「無事帰る」という意味で玄関にカエルの置物を飾る家庭も多いようだ。
人間の害になる昆虫を食べ、ひょうきんでほのぼのとしたキャラクターで楽しませてくれる。
カエルと私の得意とする平泳ぎつながりで、これからも仲良くしたいと思う。

文・写真=海山 文美(みやま あゆみ)
生活エッセイスト。東京生まれ。動物の編みぐるみを中心とした編み物作家として活動しながら、ライフスタイル全般を見つめ直すエッセイストとして執筆中。生活に根付いた身近な出来事を書いています。趣味は植物鑑賞、テニス、水泳。

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