愛嬌たっぷりのカエル「カーミット」さん

 

上目づかいの大きな瞳に癒されると、今人気のぬいぐるみ「カエルのピクルス」はオリジナル生地で作られておしゃれでカラフルだ。カエルのキャラクターは「けろっぴ」「ピョン吉」「ケロロ軍曹」などインパクトのあるものが多く、薬局店頭のカエル「ケロコロ」を知る人は多い。グリム童話やイソップ物語にも登場し、カエルの童話は実に多くユーモラスな会話や展開が楽しい。




虹の向こうに何があるかな

マペット達の生みの親「ジム・ヘンソン」が手掛けた最初のキャラクター、『セサミストリート』にゲスト出演した「カーミット」が、私は大好きだ。
マペットの人形達は人間の手指によって表情が動かされ、棒で手足が動かされている。大型のマペットは2人で操作され、これは浄瑠璃に影響されたらしい。
アメリカのおみあげで貰った「カーミット」はおかしな姿と思ったが、スリムで明るい黄緑色の体とパカパカ動く口が軽快で、部屋に置くと元気が出た。
1979年の映画『マペットの夢見るハリウッド』の劇中歌「レインボー・コネクション」は多くの人に愛される曲である。森の中の沼地で座り虹を見ながらバンジョーで弾き語りする「カーミット」は可笑しく、詩がとても良い。
大体の詩の内容は「虹の歌は沢山あるけど虹の向こうに何があるのかな? 虹は将来の夢を表すけどそれは幻かな? でもいつか虹は恋人たち、夢を見る人たち、そして私を結びつけてくれるとわかるんだ」である。




つまり、虹は架け橋になって人と人を繋げてくれる、と言っているのではないか。「カーミット」の歌う姿と詩はちょっぴり切なく感動的だ。
作者は、カエルが虹を見て精神的な道や人生の意味を探求していることを表現しようとしたらしい。
人と人の繋がりについて考える現在のコロナ禍で、聞いて欲しい曲と言えるのではないか。
「カーミット」は現在ディズニーキャラクターの仲間入りをして、2011年の映画『ザ・マペッツ』の中でもこの曲が使われている。
沢山の人がカバーしている優しい曲だ。
もし虹が架かったら、私はきっとこの歌を想うだろう。

文・絵=海山 文美(みやま あゆみ)
生活エッセイスト。東京生まれ。動物の編みぐるみを中心とした編み物作家として活動しながら、ライフスタイル全般を見つめ直すエッセイストとして執筆中。生活に根付いた身近な出来事を書いています。趣味は植物鑑賞、テニス、水泳。

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