あの日のヒョンビン/第6回・俳優としても努力

 

ヒョンビン自らも『彼らが生きる世界』を通じて自分が一層発展したことを感じた。視聴率がひとケタだと俳優はどうしても気落ちしてしまうが、撮影現場でのヒョンビンはいつも積極的だった。




大きなプレッシャー

ヒョンビンは、『彼らが生きる世界』の放送後、「いい先生と学友に巡り会い、二度と聞けない授業を受けて、学生に戻った気分だった」と語っていた。
シナリオを書いた脚本家のノ・ヒギョンもこう語る。
「ヒョンビンという俳優の可能性を信じた。彼の演技に120%満足する」
それほどヒョンビンは自分の役を見事に演じた。
その後、映画『友へ/チング』がドラマ化されると発表されたとき、多くの人が関心を持ったのは、映画でチャン・ドンゴンが演じたドンスの役を誰が担うだろうかということだった。そして、ヒョンビンがキャスティングされたことを知らされると、特に映画『友へ/チング』が好きな人たちは憂いを示した。ヒョンビンのジェントルなイメージは、荒くて強いカリスマを持っているドンスに似合わない、と思ったからだ。
それに、映画でチャン・ドンゴンの演技があまりに印象的だったことも、新しくドンスを演じるヒョンビンには大きなプレッシャーだった。




けれど、ヒョンビンは自信を見せた。
「最初から、チャン・ドンゴン先輩と比べられると予想していました。そのため反対する人も多かったのですが、それを知った上で挑戦しました。撮影しながら1回も後悔したことはありません」
ヒョンビンがこのドラマを準備しながら見せた努力は、驚くものだった。映画版でのチャン・ドンゴンの演技に影響されることを避けるため、なんと最初は映画版を見ないようにしたのだが、そのうち考えが変わり、「受け入れる必要のあるものは受け入れよう」と決心した。そして、1日に4回も5回も映画版を見て、チャン・ドンゴンの演技を分析した。
釜山を舞台としている作品だけに、自然な釜山訛りが話せるように練習も怠らなかった。役に似合う声を出すために、一度やめたタバコも吸い始めた。
(次回に続く)

文=朴敏祐(パク・ミヌ)+「ヨブル」編集部

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