不器用な男だが信念を持っていた/パク・ソジュンの神髄:第12回

 

『梨泰院クラス』というドラマは、第1話からぐいぐい引き込まれる。とにかく、パク・ソジュンが演じているパク・セロイという主人公が本当に魅力的だ。彼の高校時代から物語は始まっている。

写真=JTBC『梨泰院クラス』公式サイトより




妥協をしない

パク・セロイが高校生のときの話だ。
彼は、転校した初日にひどいいじめを目撃する。いじめていたのは財閥の二世で、先生も見ないふりだった。それをいいことに、財閥二世のいじめはひどくなる一方だった。
見かねたパク・セロイが必死に止めたのだが、相手が聞こうとしなかったので手を出してしまった。
財閥二世の父親が立場を利用して校長室にやってきて、パク・セロイに土下座を要求した。実はその財閥にはパク・セロイの父親が勤務していて、その父親も同席させられた。
そのときパク・セロイはどうしたか。彼が土下座をしていれば退学は免れたし、父の仕事も安泰だった。
しかし、パク・セロイは土下座をすることができず、すべてを失う羽目になった。本当に不器用な男なのだ。




とはいえ、強い信念を持っていた。間違った妥協をしない男なのだ。そういったパク・セロイの生き方が、『梨泰院クラス』の全編を貫いている。
パク・セロイには不運が続く。最愛の父が殺され、自分も刑務所にぶち込まれる。すべては財閥のせいだった。
そんな財閥に復讐を誓うパク・セロイ。そして、自分が大金持ちになってみせるという野望を持つ。その手段のために、やがてパク・セロイは梨泰院(イテウォン)で勝負をかけることになる。
そこはエネルギッシュで混沌とした街だ。そんな梨泰院でパク・セロイはどう生きていくのか。波乱万丈なストーリーが見る人の心を躍らせる。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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