愛と別れの恋愛博物館〔第2回〕

200万ドルの持参金

実は、数年前にレーニエ大公はフランスの人気女優と結婚寸前までいったことがあった。しかし、検査によってその女優が子供を生めない体だと判明し、レーニエ大公は泣く泣くその結婚をあきらめたことがあった(実際には、その女優はのちに子供を生んでいるのだが……)。

そうした経緯があったので、今度のレーニエ大公のアメリカ行きには、検査担当の医師を同伴させるという用意周到さだった。検査は、グレースの家族には内緒のまま、フィラデルフィア郊外の病院で行なわれた。

グレースは、世継ぎを生める体かどうか、あらゆる検査を受けた。彼女はその結果が非常に気になったが、もう一つ悩みの種があった。検査の結果が出れば、自分が処女でないことがわかってしまう……そのことを気に病んだのだ。

そこでグレースは、高校時代にホッケーをしているとき処女膜を傷つけたと医者には嘘をついた。検査の結果は、「処女」の件を除けば満点に近かった。医師はレーニエ大公に「子だくさんの新記録をつくることも可能ですよ」と言った。

これで大きな難関はクリアしたが、障害はもう一つ残っていた。ヨーロッパの王室には伝統的に、新婦が多額の持参金を持ってくる習慣があり、ケリー家も200万ドルを要求された。グレースの父親は腹を立てた。

「ちっぽけな国の大公と結婚するのに、なんで大金を払わなければならないんだ」

持参金がネックとなってグレースのシンデレラ物語も暗礁に乗りあげたが、結局は周囲に説得されて、父親も渋々大金を用立てすることになった。

「玉の輿に乗るための保証金と考えれば、200万ドルだって安いもんだ」

父親はそう言いながら、何度も深いため息をついた。(ページ6に続く)

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