俳優としてのキャリアアップ
韓国で海兵隊員は「男の中の男」と呼ばれる。とにかく、海兵隊の訓練は軍隊で一番激しいことで有名である。
そんな厳しい部隊に志願して入ったヒョンビン。最後まで訓練を全うできるか危ぶまれたが、彼は怪我で苦しみながらも立派にやり遂げて除隊した。その姿は芸能界を超えて韓国社会全体で大いに称賛された。
その後のヒョンビンの俳優キャリアは確実に変化していった。
兵役に入る前は『シークレット・ガーデン』のような軟派系の役で大評判を取っていたのだが、除隊して芸能界に戻ると、ヒョンビンは復帰作として映画『王の涙-イ・サンの決断』を選んだ。
この映画を見ていたら、筋骨隆々としたヒョンビンの身体に圧倒された。弓を引くときにアップになった背中の筋肉といったら、まるでボディービルの選手のようだった。さらに、映画の中で見せた殺陣も迫力満点で、「本当にあのヒョンビン?」と意表をつかれる思いがした。
厳しい海兵隊で兵役を全うしたヒョンビンは、それ以前の柔らかいイメージよりも、強く逞しい印象が前面に出るようになった。兵役を経たことで、自分の俳優としてのキャリアに強さと逞しさを加えたのである。
文=康 熙奉(カン ヒボン)