2016年に韓国で放送された『雲が描いた月明り』は、時間が経っても日本で根強い人気を誇り、レンタルDVDでも良好な実績を挙げている。また、テレビで何度も放送されて、その度に人気を集めている。このドラマで主人公のイ・ヨンを演じたのがパク・ボゴム。彼の魅力もあって、イ・ヨンは韓国時代劇でも特筆すべきキャラクターになった。
惜しまれる早世
韓国時代劇の人気にあやかって注目を集めた朝鮮王朝時代の人物と言えば、イ・ヨンエが演じたチャングム、イ・ソジンが扮したイ・サン、そしてハン・ヒョジュが演じた淑嬪(スクピン)・崔(チェ)氏(『トンイ』の主人公)など。
イ・サンは、朝鮮王朝後期の名君として歴史上であまりにも有名だが、チャングムと淑嬪・崔氏はそれほど目立った存在ではなかった。
しかし、ドラマの人気のおかげで、今や韓国で知らない人はいないほどの歴史上の人物になっている。
上記の3人は韓国時代劇でも特に有名なキャラクターだが、そこに割って入ってきたのが、『雲が描いた月明り』でパク・ボゴムが演じたイ・ヨンである。
イ・ヨンは孝明世子(ヒョミョンセジャ)のことだ。頭脳明晰な世子(王の正式な後継者)であったのだが、わずか21歳で世を去っている。
順調に国王になっていれば、名君になることが間違いないほどの才能を持っていたのに、あまりに惜しまれる早世だった。
しかし、冷静に考えてみれば、国王にならなかっただけにイ・ヨンの歴史上の重要度は
それほど高くない。結局は歴史に埋もれてしまうところがあったのだが、『雲が描いた月明り』でパク・ボゴムが演じたことによって、今までとは考えられないほどの脚光を浴びるようになった。(ページ2に続く)
絢爛たるパク・ボゴム!『雲が描いた月明り』の世子の役で大人気