朝鮮王朝三大悪女の鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)は救いようがない悪女!

 

韓国でも歴史上の鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)をいちやく有名にしたのが、2001年から2002年にかけてSBSで放送された時代劇の『女人天下』だった。外国の映画祭で主演女優賞を受賞した大女優のカン・スヨンが鄭蘭貞に扮していて、ドラマは大変な人気を集めた。




直接の動機は「私利私欲」

主人公でもあったので、『女人天下』では、鄭蘭貞を極端な悪女には描いていない。物語は、最下層の身分であった彼女が必死に生きていく過程で悪事に手を染めたという展開だった。
『女人天下』が終了するときのナレーションが印象深い。ドラマは次のような言葉で締めくくられた。
「鄭蘭貞と文定(ムンジョン)王后は、身分差別や男尊女卑という儒教的な道徳が支配する朝鮮社会における革命的な秩序の破壊者だった。支配階級から非難され、飢えた民衆の恨みを買い、鄭蘭貞と文定王后に対する歴史の評価は否定的である。しかし、文定王后は朝鮮王朝を20年間も率いた女傑であったし、鄭蘭貞は賤民(チョンミン)として生まれた自らの運命の束縛を解いて、人間らしく生きるために、身をもがきながら激しく生きた女性だった。その理由だけで、鄭蘭貞の名は長く歴史に残ったのである」
このように、鄭蘭貞を持ち上げている。




ナレーションて言うように、鄭蘭貞が身分差別や男尊女卑という儒教的な道徳を破壊する女性であったことは確かだろう。
とはいえ、彼女の直接の動機は「私利私欲」だった。
鄭蘭貞は、閉鎖的な儒教社会への怒りで、革命的な秩序の破壊者になろうとしたわけではない。あくまでも、自分が成り上がりたいという単純な強欲の持ち主だった。
その「成り上がり」のためには手段を選ばなかった。成人して妓生(キセン)となり、権力を持った男に近づこうとした。
目を付けたのが尹元衡(ユン・ウォニョン)だった。
彼の姉は、11代王・中宗(チュンジョン)の正室だった文定王后である。
尹元衡は姉の威光を利用して出世街道を突っ走っていた。鄭蘭貞は尹元衡に近づき、妾になった。そして、尹元衡の口添えで、文定王后の手先となった。




当時の文定王后は、自分の産んだ慶源大君(キョンウォンデグン)を王にするために、悪行を重ねていた。特に、中宗の二番目の王妃が産んだ仁宗(インジョン/中宗の長男)の暗殺を狙っていた。
最終的に、文定王后は慶源大君を1545年に国王にすることに成功した。しかし、それは仁宗を毒殺した結果であった。
その際に、鄭蘭貞が暗躍したことは間違いない。
まさに、国家の一大事となる悪行を平然と行なったのが鄭蘭貞であった。
(ページ2に続く)

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