済州島(チェジュド)は楕円形をした韓国最大の島。面積は約1800平方キロメートルで、沖縄本島の約1・5倍である。島の中央に韓国最高峰の漢拏山(ハルラサン)がそびえている。標高は1950メートル。これほど高い山が南北を隔てる壁の役割をしているので、島の北部と南部では気候が変わってくる。
絶壁の風景は雄大
南部側の西帰浦(ソギポ)市の人に言わせると、「北側は北風も強いし、南に比べると気温も2度や3度低い。温かいし、住むなら南側だよ」ということになる。
けれど、島を上下に真っ二つにすると、北側に40万人ほどが住み、南側には15万人がいる。
北側と南側とでは地形も違う。済州島を一周してみるとよくわかるが、北側は平坦な海岸線が多いが、南側は絶壁ばかりである。よって、有名な滝は南側に偏っている。一説によると、漢拏山が大爆発したときに、その衝撃で南側が隆起し北側が沈んだという。火山の噴火で島が南北方向に傾いたというわけだ。
観光の面から見れば、恩恵を受けたのは南側だ。絶壁の風景は雄大だ。
その1つが、西帰浦市にある正房瀑布(チョンバンポッポ)だ。
間近で見てみる。
行き場を失った水が、豪快に海に落ちていく。高さは23メートル。正房瀑布の下に立つと、どんどん水しぶきが飛んでくる。
頭が濡れる。シャツが濡れる。だが、離れる気はサラサラない。滝の水しぶきをこんなに浴びるなんて、まさに初めての体験で爽快だ。
(ページ2に続く)