朝鮮王朝の歴史に残る「三大悪女」とは?

 

朝鮮王朝は儒教を国教にした。儒教には人間の身分の違いを肯定する思想があり、朝鮮王朝時代には厳格な身分制度が敷かれた。それによって、男尊女卑の傾向も顕著になった。その中から悪女たちが出てきた。




成り上がるために手段

朝鮮王朝時代に女性は落ち度がなくても平気で離縁されるし、再婚の自由も著しく制限され、なおかつ親の相続権もなかった。
結局、儒教社会の中で男たちは優遇され、能力以上の立場を得られた人も多かった。それも、女性の犠牲のうえに成り立っていたことだ。
しかし、泣き寝入りする女性ばかりではなかった。才能や美貌に自信を持ち、身分制度の枠を乗り越えて、自分のあるべき生き方を追い求めた女性も多かった。
ただし、目立ちすぎて男性を凌駕した女性は、意図的に「悪女」と呼ばれ、糾弾される対象となった。
彼女たちは男社会の掟によって作られた悪女なのである。
その一方で、強欲でわがままな性格ゆえに悪事を働いた女性もいた。私利私欲に走った悪女たちは、成り上がるために手段を選ばなかった。
たとえば、張緑水(チャン・ノクス)、鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)、張禧嬪(チャン・ヒビン)……。




この3人は「朝鮮王朝三大悪女」と呼ばれている。
果たして、彼女たちは何をしたのか。
まずは張緑水。
彼女は10代王・燕山君(ヨンサングン)の側室として暴君に悪行をけしかけたことで知られる。
王朝の財宝を私的に持ち出すという強欲ぶりも見せて、燕山君がクーデターで王座を追われたあとには斬首になっている。
彼女の遺体に庶民が石を投げてすぐに石塚ができたというから、よほど人々から憎まれていたのだろう。
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