日本に住んだ韓国女性が驚いたことは?/日韓生活事情2

 

日本に住んだ経験がある韓国女性の話をたくさん聞いてきて、「なるほど、日韓の違いが大きいね」と実感したことは多い。たとえば、自宅に招かれたときの食事の話。それは、どんな内容なのだろうか。

 




夕食に招待されたとき

ある韓国女性がしみじみと言った。
「韓国人は知り合いを家に招待したときは、最大限のご馳走でもてなすのが普通です。私は日本に住んだときに知り合いに夕食に招待されましたが、出てきたのは簡単な料理でした。先方は精一杯のご馳走を用意してくれたのかもしれませんが、韓国的に言うと、それは軽食だったのです。私はその程度にしか思われていないのかとガッカリしました」
彼女が心情はよくわかる。
しかし、いくら夕食に招待しても日本では韓国のようには「テーブルからはみだすほど料理の皿を並べる」ことは多くないかもしれない。そのことを理解すれば、彼女のガッカリもいくぶん緩和されるのではないか。
別の女性の話も興味深かった。彼女は韓国の放送局に勤めていて、国際放送のプロデューサーをしていた。留学のために1年間、東京に住んだことがある。




その経験から、日韓の生活上の違いをいろいろ考えるようになった。彼女が最初に指摘したのは?
「日本人が最初にソウルに来ると、町中でぶつかっても謝らない人が多いのでビックリするそうです。それは韓国人の性格でもあるんですね。韓国人は何ごともストレートで、控えめな日本人とは違います」
「日本で長年仕事をした韓国人が、もし自分が引いて相手をもちあげる日本式のスタイルに慣れたとしても、それを韓国でも実行したら相手から軽く見られて認めてもらえないでしょう」
彼女が指摘する話からは「控えめな日本人」「ストレートな韓国人」という図式が浮かんでくる。もちろん、全員がそうではない。比較的そういう人が多いというレベルの話なのだが……。
さらに、彼女は1年間の東京生活で何を感じたのか。
「東京で驚いたことがあります。銭湯に行くと、細かいことでよく注意されました。たとえば、日本の女性は銭湯で髪を洗うときに桶をよく使ってシャワーをあまり使わない。だからといって、私がシャワーを使っただけで注意することはないと思うんです。




何かと神経をつかわないといけない国という印象が残りました」
「1人で生活するうえで、東京はソウルよりはるかに便利だった」
そう語る韓国女性。逆に言えば、ソウルは1人暮らしには不便なのだ。
「東京の場合は1人暮らしの人がすごく多いでしょ。そういう生活パターンに世の中が合わせてくれるんです。でも、韓国では、1人暮らしに対する社会の思いやりがあまりないですね」
「たとえば、スイカを売るとき、東京では細かく切り1人用として売っています。ソウルにはそういうものがありませんし、あくまでも家族中心の考え方が主流です。ソウルにも大型のショッピングモールが増えてきましたが、そこに行っても歯ブラシを10個単位で買わなければなりません。1個では買えないんです。ソウルで働く日本の人たちも不便に思っていると思いますよ」
今後はソウルでも1人暮らしが多くなっていくはずだ。時代に応じて、ソウルが東京のように1人暮らしに便利な街に変貌していくのだろうか。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

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