新兵訓練の後期になると、敵の化学攻撃に備えた化学ガス訓練なども行なわれる。これは、本当に辛い訓練だ。特別な部屋で催涙ガスを浴びて辛抱する訓練だが、行なうのは1回だけでも非常な苦痛をともなう。
遊撃訓練と野営訓練
様々な訓練と並行して、救急法なども徹底して学んでいく。ケガを負ったときの処置や人工呼吸の方法などを身につけるが、これは、兵役が終わって社会に復帰した後も大変役立つ技術である。
それから、長期的な戦闘を想定した訓練に移る。
特に大事なのが遊撃訓練だ。
これは、山野を駆け回って敵に近づいて攻撃を加える訓練だ。
無理な姿勢を続けることが多いので体力を消耗する。この訓練が終わると、本当に疲労困憊になる。
続いて、野営訓練を行なう。
これは野外でテントを張って宿泊する訓練だが、真冬に行なうと凍えそうなほど辛い。ここが試練なのである。
こうした訓練を段階的に行なったうえで、最後に行軍を行なう。
行軍は、重い装備を背負って20キロ前後の距離を早足で歩く訓練で、夜を徹して行なわれる。
この訓練を通して仲間同士の連帯感が培われていく。
すべての新兵訓練が終わると、修了式に臨む。その後、いよいよ本格的な軍務が始まっていく。
文=康 熙奉(カン ヒボン)