パク・ボゴムが『徐福』で新しい俳優像を築きあげる

 

2020年に公開される映画の中で、一番の注目を集めているのが『徐福』だ。なにしろ、人類初のクローン人間をめぐる人間同士の暗躍を描いている。そのクローン人間に扮するのがパク・ボゴムだ。




新しい役に挑戦

『徐福』は、パク・ボゴムの今後の俳優活動を左右する重大な作品になるだろう。なんといっても、演じる役がクローン人間なのである。
遺伝子の組み換えによって人造的に作られた複製人間であり、生身の人間とは表情や立ち居振る舞いも微妙に違ってくる。
人類初の複製人間を演じるということは、パク・ボゴムが今までに前例のない役を引き受けたと言える。
普通なら躊躇するところだ。数多くの批判が待ち構えていることも覚悟しなければならない。しかし、パク・ボゴムは果敢に新しい役にチャレンジした。
さらに興味深いのは、慎重な作品選びに定評があるコン・ユと共演することだ。このこともパク・ボゴムが『徐福』を選んだ理由になったのかもしれない。
そもそも韓国映画は、南北対立などの社会情勢を基盤とした作品作りに定評があり、そのジャンルで活躍してきた俳優が多い。




しかし、複製人間を主人公にした作品は今までの韓国映画にはないジャンルであり、新しい分野の開拓を意味している。そこに、パク・ボゴムが主役級でキャスティングされた意味はとても大きい。
作品ごとに自分の俳優像を確立してきたパク・ボゴムが、『徐福』でどのような姿を見せてくれるのか。大いに興味をかきたてられる。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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