『100日の郎君様』では、ド・ギョンス(EXOディオ)が主演して凛々しい世子(セジャ)に扮している。この世子というのは、朝鮮王朝でどんな存在だったのだろうか。
春宮や東宮とも呼ばれた
朝鮮王朝の国王の正式な後継者のことを「世子」と言う。
未来の王として公認された世子はそれにふさわしい処遇を受ける。
まず、世子を象徴する七章服(七つの紋様が刺繍されている世子の正服)を着る。
そして、世子の権威を象徴する文書や印鑑などを所有する。同時に自分の官僚と護衛兵を率いることができる。
なんといっても、世子は未来の王だ。
いつか王になる日のため、後継者としての訓練をしなければならない。その「いつか」が明日の場合もあるのだから油断はできない。後継者として常に緊張感を持たなければならなかった。
世子は新たな時代を開く「春」に当たるため「春宮(チュングン)」と呼ばれたし、春は東と同義なので「東宮(トングン)」とも称された。
実際、王宮の空間構造で世子が住むところは東側だった。
世子を補佐する世子官僚たちは東宮官と呼ばれた。世子の教育を担当したのが世子侍講院で、護衛を担当したのが世子翊衛司である。
世子侍講院の官僚はみんなこぞって、科挙(超難関の官僚任用試驗)に合格した参上官であり、家門も良かった。
(ページ2に続く)