日本と韓国の歴史を振り返る/第25回「善隣関係の終焉」

国交断絶

朝鮮王朝が皇帝と認めているのは中国大陸の覇者のみである。それゆえに、朝鮮王朝は一歩下がって「王」を称している。それなのに、日本が「皇」を名乗ってくれば、朝鮮国王が格下になってしまう。
序列を重んじる儒教思想を国教にしている朝鮮王朝としては、絶対に容認できないことだった。
朝鮮王朝は明治天皇の国書を受け取らずに突き返した。この瞬間に、朝鮮王朝と明治維新政府は断交状態となってしまった。
「善隣関係を築いた徳川幕府を倒した新しい政府とは付き合いたくない」
朝鮮王朝は相手を門前払いにするのではなく、むしろ相手を懐に引き寄せるべきだった。




そういう外交戦略を持たなかったことが、後々の朝鮮王朝を苦しめることになる。
すでに時代は変わっていた。
その変化に対応できなかったことが朝鮮王朝の致命傷になっていく。
(次回に続く)

文=康 熙奉(カン ヒボン)

日本と韓国の歴史を振り返る/第1回「ヤマト政権」

日本と韓国の歴史を振り返る/第2回「百済と高句麗」

日本と韓国の歴史を振り返る/第3回「仏教伝来」

日本と韓国の歴史を振り返る/第24回「途絶えた交流」

日本と韓国の歴史を振り返る/第26回「政変に揺れる朝鮮王朝」

固定ページ:
1 2

3

注目記事のエッセンス1

記事「トンイは張禧嬪(チャン・ヒビン)より悪女なのか?」

ドラマ『トンイ』は日本でも大人気を博した。トンイを演じたハン・ヒョジュの魅力もあって、トンイがいかにも明るくて純粋な女性のように描かれていた。一方の張禧嬪は、朝鮮王朝3大悪女の1人に数えられて、悪女の代名詞になっている。しかし、本当の悪女はどちらだったのだろうか。史実を見ていくと、トンイの別の顔が見えてくる。

ページ上部へ戻る