韓国語の会話には「様(ニム)」がやたら出てくる

 

韓国ドラマを日本語の吹き替え版で見ると、ちょっと違和感がある。韓国語の敬語がかなり省略されているからだ。このように、韓国語の敬語は日本語の吹き替え版では、こまかく表現できないのである。




「様」のオンパレード

韓国では、両親に対しても敬語を使う。日本では、よほどの家でないと親に敬語までは使わないと思うけど。
韓国のこうした傾向は「孝行」を最高の美徳と考える儒教の影響だ。
その他にも、他人との会話で敬語がやたらと飛び交う。
たとえば、韓国ドラマを見ていると「○○ニム」という発音をよく耳にするだろう。これは「○○様」という意味で、日常的に使われる「ヒョンニム」「ソンセンニム」「プモニム」は、それぞれ「兄様」「先生様」「両親様」となる。いわば、「様」のオンパレードである。
また、職場の電話などで相手からの応対をするとき、日本では上司であっても社内の人間を呼び捨てにするのが当たり前だが、韓国では違う。
相手から上司に電話が掛かってきたときも、日本なら「田中はただ今席を外しています」と上司を呼び捨てにするが、韓国の場合では「キム部長様はただ今席を外していらっしゃいます」という敬語になる。
このあたりは、いかにも身内に敬語を使う韓国らしい。




以上のように、年下は年上を徹底的に敬うが、代わりに年上は年下の面倒を見なければならない。
ご飯を食べに行くと、それが一番わかるはず。年上は立場上、おごらなければならない場合が多い。会社の上司になると、特にそうだ。
もともと韓国では、日本みたいに割り勘という風習があまりない。年上がいたら、その人が払うことが多いし、同い年なら先に誘ったほうが払う。ここをわきまえておかないと、韓国の人との付き合いは難しくなるかも。

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