後編/自分の限界に挑む
数々の厳しい訓練を経たうえで、最後に20キログラムの装備を持って20キロメートルを早足で歩く行軍を行ない、海兵隊の訓練がすべて終わる。それまでの訓練生は黄色い名札を軍服につけているが、すべての訓練が終了した後は赤い名札になる。その赤い名札の授与式によって、正式に海兵隊の隊員として認められるのだ。
ようやく赤い名札に!
人は自分の人生において、限界以上に精神と体力を鍛える時期がどれほどあるだろうか。確かに、スポーツ選手が頂点を目指して体力と精神を強化することはよくあるが、それは自分の「一流選手になりたい」という目標に向けて取り組んでいることであって、あくまでも主体は自分の目標達成である。
しかし、軍隊はそうではない。あくまでも国民を守るというのが一番の優先事項であり、そのための歯車にならざるを得ないのが軍人だ。
そんな中で、自分がどこまで気持ちをしっかり持って苛酷な訓練に取り組んでいけるのか。
スポーツの一流選手とは違った意味で、厳しい訓練に取り組むための自分の動機づけが必要であり、国民を守るためにがんばることが軍隊における訓練の本質になっている。
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