わが家の宝物、ずっと一緒にいようね

 

わが家には5歳のヨークシャーテリアがいる。2代目のワンコだ。初代の子に似ている子をネットで見つけて、ペットショップまで会いに行った。道中ワクワクが止まらず自然と歩みも速くなる。やっと到着した。どんなかわいい子に会えるのか、思わず深呼吸をした。




運命の子

さて、どの子かな?
ガラス窓の向こうで、オモチャを振り回してよく動いている子がいる。
あの子かな?
店員さんに聞くとやっぱりそうだ。
すると店員さんが、「抱っこしてあげてください」と言う。
「あー、抱っこしたら絶対に連れて帰りたくなる」
そう思いながら、慎重に受け取り抱っこした。フワフワで軽い。パッと目が合った。
「もう、だめだ!これは運命だ、うちの子になる運命だ!」と自分に言い聞かせて、「一緒に帰ろうか」と言っていた。
手続きをして代金を支払うと、たくさんのクーポン券をもらった。クーポン券には期限がある。だけどここまでは、もう来ないかもしれない。今日クーポン券を使うしかない。




欲が出た私は、持ち帰れるだけ買っていこうと店内をウロウロした。その結果、買い物かごが一杯になってしまった。
店員さんに「そんなにたくさんだと帰りが大変ですよ」と言われて、ハッとした。
そう、私は一人で持って帰らなくてはならないのだ。最寄りの駅までタクシーを呼んでもらうことになってしまった。
やっと家に着くと私はぐったり。ひと休みしたかったが、バッグから出したらとんでもないことが待っていた。初めて見る景色に興奮したのか、走り出して止まらない。動く私たちの手足に甘噛みする。歯が小さくとがっていて痛い。それがしばらく続くとは……。
そんな子もいまはすっかりうちの子になっている。
ところで、血統書があればSNSで兄弟姉妹、従兄弟姉妹が探せるのだ。「かま友」という友達も見つかる。「かま友」とは同じ釜のご飯を食べた友達、つまり同じブリーダー出身の友達ということだ。
うちの子の兄弟、従兄弟も元気に暮らしているのがわかった。
なんだかすごい世の中だ。しかし、どの子も幸せなのがわかりほっとした。改めてこの子が可愛く大切なものに思えた。

文・写真=須坂のりこ(すざかのりこ)
生活エッセイスト。ものづくりの現場に携わり、手芸を中心に多彩に興味を広げており、特にファッション、クラフト、デザインについて発信を続けている。西村玲子さんのエッセイ&イラストが好き。大人の楽しみとは何か、をいつも考えながら暮らしている。

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