傑作ドラマは厳しい制作環境の中で作られる/なるほど韓ドラ1

第1回 韓国ドラマの制作スタイル




過労が重なる

韓国のMBCは、「ドラマのMBC」と呼ばれるほど大ヒットしたドラマをたくさん放送しているが、同局のプロデューサーがこう語ったことがある。
「スタッフがドラマの撮影中に倒れて応急室に運ばれていくのはよくあることなので、特に誰も気にすることはない」
この言葉は、制作現場のスタッフの過労が恒常化していることをうかがわせる。
韓国ではひとつのドラマを完成させるまでに、カメラや音声、照明、メイクなど、多いときで約80人ものスタッフが携わる。
しかし、放送局の社員はごくわずか。そのほとんどが、ドラマ制作会社に所属する非正規社員か、フリーランスの人間だ。
こうしたスタッフたちは、放送局から事故やケガなどに対するしっかりとした補償も受けられないまま、過酷な労働を強いられる。
俳優も例外ではない。撮影中に俳優が過労で倒れるケースは多い。




見かねたパク・シニャンがこうアピールしたことがあった。
「42時間も休まずに撮影を続けるという、俳優とスタッフを酷使する非人間的な撮影環境は改善されるべきだ」
はっきりとこう言えるのも、パク・シニャンが大物で力を持っているからだ。そうでない俳優は泣き寝入りだ。
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