首陽大君(スヤンデグン)が端宗(タンジョン)から王位を奪った/朝鮮王朝物語3

世祖が即位

政敵をすべて排除した首陽大君は政権の要職を独り占めし、真綿で首をしめるように端宗を追い詰めます。堪えきれなくなった端宗は、1455年についに王位を首陽大君に譲ります。
形の上で端宗は上王に祭り上げられました。
しかし、実権はなきに等しい状態でした。こうして首陽大君は念願の王になって、7代王・世祖(セジョ)となります。




王になった世祖が真っ先にやったことは、自分の即位に貢献した側近たちを政権の要職に就けることでした。
とにかく、暗躍した連中はみな大出世しました。
世祖と側近たちは、我が世の春を謳歌したのです。
(次回に続く)

文=康 熙奉(カン ヒボン)

世祖について紹介している『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』(康熙奉〔カン・ヒボン〕著〔実業之日本社/900円+税〕)

康 熙奉(カン ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化と、韓流および日韓関係を描いた著作が多い。特に、朝鮮王朝の読み物シリーズはベストセラーとなった。主な著書は、『知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』『朝鮮王朝の歴史はなぜこんなに面白いのか』『日本のコリアをゆく』『徳川幕府はなぜ朝鮮王朝と蜜月を築けたのか』『悪女たちの朝鮮王朝』『宿命の日韓二千年史』『韓流スターと兵役』など。最新刊は『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』

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