ブラリ散策に役立つ「新大久保の歩き方」(再読版)

 

JR新大久保駅は、山の手線に29ある駅の一つ。新宿駅と高田馬場駅の間にあって、かつては地味な駅だったが、今は韓流ファンが利用する駅として乗降客がかなり増えた。ただ注意したいのは、プラットホームの幅がそれほど広いわけではない。むしろ、狭い部類に入るので、電車から乗り降りする際は十分に注意してほしい。




駅にある顕彰板

プラットホームに下りれば、すぐに改札口に向かう。ただし、そこに至る階段は、かなり高田馬場駅寄りにある。方角でいえば、プラットホームの北側にあるのだ。それだけに、新宿駅方面から行った場合は前寄りの車両に乗ったほうが絶対に便利だ。うっかりして一番後ろの車両に乗ったりすると、改札口に至る階段まではプラットホームをずっと歩いていかなければならない。
階段を下りるとすぐに改札口に出るが、その手前で一つ確認しておきたいことがある。それは階段下の壁に埋め込まれたプレートだ。それは新大久保駅で亡くなった2人のことを偲ぶ顕彰板なのである。
その2人とは、韓国人留学生の李秀賢(イ・スヒョン)さんと、カメラマンの関根史郎さん。この方々はプラットホームから線路に落ちた人を救おうとして山手線の電車にひかれて亡くなったのである。




この事故が起きたのは2001年1月26日。新聞でも大きく報道されたので記憶している人も多いことだろう。顕彰板には次のように書かれてある。
「カメラマンの関根史郎氏、韓国人留学生の李秀賢氏は、2001年1月26日午後7時15分頃、新大久保駅において線路上に転落した男性を発見し、自らの身の危険を顧みず救助しようと敢然と線路に飛び降り、尊い命を落とされました。両氏の崇高な精神と勇敢な行為を永遠にたたえ、ここに記します。東日本旅客鉄道株式会社」
日本語の横には韓国語も併記されている。
顕彰板を見たあとで、いよいよ改札口に向かう。この駅の改札口は一つしかない。しかし、友人と待ち合わせる際に「改札口で会おうね」と約束する人も多いだろうが、午前11時とか正午とかキリがいい時間になると改札口の前は大混雑になる。そんな人込みの中で待ち合わせをするのは大変だ。そのことを肝に銘じておこう。




待ち合わせた人が来たら、いよいよ韓流の香りがする街に出かけることになる。改札口の真ん前を通っているのが大久保通り。その道を右に行くとすぐにガードがあり、それをくぐると目的のエリアが広がっている。
その前に、大久保通りについて説明しよう。
新大久保駅の改札口を出た場合、目の前の大久保通りを右に行くと明治通りに至るが、左に行くとJR大久保駅に出る。大久保通りは新大久保駅と大久保駅を結んでいるのである。
大久保駅は中央線の各駅電車が停車する駅で、新宿駅と東中野駅の間にある。しかも、大久保駅と新大久保駅の間は徒歩でわずか5分の近さだ。つまり、中野や三鷹方面から来る人は、わざわざ新宿駅で乗り換えて新大久保駅に来なくても、大久保駅で下りて歩いて新大久保駅をめざせばいいのである。
そのほうが、乗り換える手間もなく、交通費も多少は安くなることがある。新大久保駅と大久保駅がとても近いということをぜひ覚えておこう。
(ページ2に続く)

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