思悼世子(サドセジャ)!米びつで餓死した王子(歴史編)

周囲が凍りついた

かんしゃく持ちの英祖が起こりだすと手がつけられなかったので、その場をとりつくろうために思悼世子はあえて飲酒を認めたのだ。
けれど、それが良くなかった。
かえって英祖の怒りが爆発した。
たまらず、女官が進み出て言った。
「世子様はお酒をまったく飲んでおりません。お酒の臭いをお調べになればわかることでございます」
女官が本当のことを言ったのに、思悼世子は自分から否定した。
「自ら酒を飲んだと申し上げた。余計なことを言うな」
こうした思悼世子の態度を潔いと褒めるかと思ったら、英祖は激しく思悼世子のことを罵倒した。
その光景は周囲が凍りつくほどであった。




この日の出来事が、英祖と思悼世子の確執が表面化した最初であった。
以後、両者の確執は根深くなっていくが、それは老論派が意図した通りであった。
それから6年後、思悼世子が英祖の命令で米びつに閉じ込められて餓死した。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

英祖(ヨンジョ)が思悼世子(サドセジャ)を米びつに閉じ込めた瞬間とは?

チョン・イル主演『ヘチ』のヨニングン(延礽君)が後に英祖(ヨンジョ)になる

英祖(ヨンジョ)は景宗(キョンジョン)のおかげで国王になれた!

悲劇の三大世子!昭顕(ソヒョン)世子・思悼(サド)世子・孝明(ヒョミョン)世子

イ・ソン(思悼世子〔サドセジャ〕)は夫婦仲が悪かった!

固定ページ:
1 2

3

注目記事のエッセンス1

記事「トンイは張禧嬪(チャン・ヒビン)より悪女なのか?」

ドラマ『トンイ』は日本でも大人気を博した。トンイを演じたハン・ヒョジュの魅力もあって、トンイがいかにも明るくて純粋な女性のように描かれていた。一方の張禧嬪は、朝鮮王朝3大悪女の1人に数えられて、悪女の代名詞になっている。しかし、本当の悪女はどちらだったのだろうか。史実を見ていくと、トンイの別の顔が見えてくる。

ページ上部へ戻る