日本と韓国の物語「第7回/李秀賢(前編)」

総理大臣と外務大臣が参列

李秀賢さんの通夜は、1月28日の夜、赤門会日本語学校で営まれた。
通夜には、福田康夫官房長官、田中真紀子衆議院議員、JR東日本の社長が焼香に訪れた。
「痛ましい事故をお詫び申し上げます。日韓の親善を築こうとした李さんの死を無駄にしません」
李秀賢さんの両親は、福田官房長官からそう声を掛けられた。
翌28日に行なわれた告別式には、森喜朗総理大臣と河野洋平外務大臣も参列した。
「若い人の見本になるような行動に対して敬意と弔意を表します」
森喜朗総理大臣は李秀賢さんの両親にそう伝えた。
「息子は夢をもって日本に来たのに、その夢を実現できなくて残念でした。でも、日本のみなさんに感動を与えたのだから死は決して無駄ではなかったでしょう。息子を誇りに思うことで心が癒されます」




父親の李盛大(イ・ソンデ)さんはそう語った。
母親の辛閠賛(シン・ユンチャン)さんは憔悴しきっていた。
「悲しみがつのって一睡もできません。こんなに早く死んでしまうのは悲しすぎます」
このように語るのが精一杯だった。
(ページ3に続く)

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