現代は情報が多すぎる環境によって、脳が疲れている人が多いと感じる。脳が疲れると五感がにぶり、ストレスを生んでしまっているようなのだ。そこでストレスの解消法のひとつとして、不安な思考からはなれるために感覚に集中すると良いのではないかと考えてみた。
五感を刺激しよう
ストレスを緩和する方法としては、ウォーキング、ジョギングなどの運動をする、楽しいと思うことをして笑顔になる、充分に睡眠をとるなどが重要である。
しかし、ここでは「ゆらぎ」に注目したいと思う。
自然界においての「ゆらぎ」という言葉は、例えば草原を渡るさわやかな風や、繰り返し浜辺に打ち寄せる波、ろうそくのゆらゆらする炎など、心地のよいリズムであるようだ。
人は五感(視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚)を通して「ゆらぎ」を感じることで快適に感じている。
空を見上げてふしぎな空の色や、面白い雲の形と動きに気づき、ジーッと眺めていると神秘的な心持ちになる。
森林の中で多彩な花と葉やおかしな形の老木を見つけ、新しい発見にうれしくなる。
小鳥のさえずりや虫の声とそよぐ風、小川のせせらぎなどのやさしい音は、大好きな音楽をきいているようにリラックスできる。
においは記憶と関係しているので、においで記憶がよみがえることがあり、においで落ちつくことも多いと感じる。
好きなものを快く食べ、旬の食物できせつを感じて心も満足できる。
自然の中で日光浴しながらおいしい空気をたくさん吸うと、安心した明るい気分になる。
このように五感を刺激することは、脳の健康にとても重要になっている。
自然の一部の私達も自然を楽しみ、「ゆらぎ」に寄りそって心地よい快適を感じるなら、ストレスの少ない幸福感の高い生活を送れるのではないか。
脳が疲れていると感じた時「ゆらぎ」にふれて、自然の生命力を覚え、その力を味わうことでリフレッシュしたいと考えるのだ。
文・写真=海山 文美(みやま あゆみ)
生活エッセイスト。東京生まれ。動物の編みぐるみを中心とした編み物作家として活動しながら、ライフスタイル全般を見つめ直すエッセイストとして執筆中。生活に根付いた身近な出来事を書いています。趣味は植物鑑賞、テニス、水泳。