どの国も芸能人の私生活が大衆の関心の的ですが、韓国では芸能人を「個人」ではなく「公人」として見る傾向が特に強いと言えます。それだけ、不祥事に対する世間の非難が大きくなります。
国内で見る目が変わった
韓国は以前、芸能人を低く見る傾向が強烈でした。それは、朝鮮王朝時代に芸人が最下層の身分であったことの名残です。
その象徴的なことが、俳優やミュージシャンなどが「タンタラ」という蔑称で呼ばれていたことです。この「タンタラ」はラッパの音色から言葉が生まれた、という説が有力です。
そのような雰囲気が変わり始めたのが2000年代に入ってからです。その理由はやはり韓流でした。
映画を初めドラマや音楽が海外から高く評価されるようになり、国内での見る目が変わったのです。
また、産業としても成長して、芸能人の収入も高くなりました。こうしたことから、芸能人の社会的地位が向上したことは間違いありません。
それにつれて、韓国社会は、芸能人に対して、個人以上の社会的な責任を強いるようになりました。芸能人を個人ではなく「公人」として見るということです。
「大衆文化は一歩間違えれば社会と子供に悪い影響を与える危険なもの」
そういうイメージを多くの人が持っています。
芸能人は社会や子供に影響を与える公人であり、私生活では問題を起こしてはならないという考えが強くなってきたのです。
しかしながら、最近、韓国の芸能界では不祥事が目立つようになりました。理由は、以前より芸能人が自由奔放に振る舞うようになったからです。
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