韓国ではなぜ真冬に冷麺を食べるのか

 

韓国の現在の食文化は、ほぼ朝鮮王朝時代にできあがったものだ。中でも支配階級だった両班(ヤンバン)の食文化と王室の食文化が強く影響している。当然のように、朝鮮王朝の支配理念である儒教の影響が目立つのが韓国の食文化だ。




「陰」と「陽」

儒教というと、家父長的で権威的、また男尊女卑という断絶した関係を作るイメージが強いが、実は調和を大事にする理念である。それぞれが自分の役割をこなしながら、お互いを立てて調和することによって世が平和になり、すべてが円満になるというのが儒教の理念だ。
ただ、それが確立されて用いられた時代が、人は誰もが平等という概念すらなかった時代だったために、上下を作り、その上下の関係の中でそれぞれが自分の立場をわきまえることを強いられた。それによって「調和を求める」という形になったのだ。
調和を追求するという儒教の理念はそのまま食文化にも影響を与えた。人間のからだも調和を保たないと崩れてしまうと儒教は考えていた。その調和を維持するためには「陰」と「陽」のバランスを大事にした。
もともと、陰陽の理論は儒教だけのものではない。儒教と同じく中国の春秋戦国時代に発生したそれぞれ独自の学問だったものが、後に儒教の一部に取り入られ、朝鮮王朝の建国とともに支配階級の重要な理念になった。




陰と陽はよく知られたように宇宙を構成するもっとも基礎になる2つの要素で、温度にすると熱さと冷たさ、時間にしては昼と夜、季節では夏と冬、人では男と女に例えられる。人のからだも同じく熱さと冷たさをほどよく交えて、ちょうどいいバランスを保つときがもっとも健康的な状態だという。
自然の一部である人間のからだもまた、陰陽がバランスよい状態にならなければならず、そのバランスが崩れると病気になると思われた。つまり、陰陽のバランスをどう保つかが朝鮮王朝の人たちの健康法だったのだ。
韓国では医食同源という言葉をよく使う。食べ物は薬と同じだという考え方だ。
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