韓国で旧正月や秋夕(チュソク/旧暦の8月15日で旧盆のこと)の朝に行なわれるのが茶礼(チャレ)である。言葉には「茶」が入っているが、実際には先祖に対して「酒」と「ご馳走」を捧げる儀式である。
先祖が地上に戻ってくる
韓国は今でも正月とお盆を旧暦で行なう。
ともに連休となって、故郷に帰る人が多い。必然的に民族大移動となる。
2019年の旧正月は2月5日になる。前後が連休となり、鉄道はのきなみ満席、道路も大渋滞となる。それでも、韓国の人たちは故郷をめざすのだ。
旧正月の日は朝から一族が集まって茶礼が行なわれる。
前日までに一族の女性たちが作っておいたご馳走を祭壇に並べ、旧正月に合わせて地上に戻ってきた先祖たちに、たっぷり食べてもらうのである。
実際に先祖がしっかり食べると想定して、子孫が箸を何度も動かしてご馳走を取る動作を繰り返す。
また、お酒の杯を何度も捧げる。
20分ほどで茶礼の儀式が終わると、先祖に捧げたご馳走を列席者たちでいただく。
この食事会が本当に賑やかだ。美味しい料理を食べて酒も入るので、旧正月にふさわしい華やかな雰囲気になる。
こうして韓国の人たちは身内との結束を固めていくのである。
文・写真=康 熙奉(カン ヒボン)
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